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二つの競技規則
愛知県協会で日本選手権大会を実行したときのことです。毎年、日本選手権大会の前日に開催される理事会と総会に、わずかな地域役員しか参加できない総会ではなくて、せめて日本選手権の各県代表(全県ではないのですが)選手が参加できる総会をしてはどうかと考えました。そして総会後、『日本のペタンクを考える』(仮題)といったパネルディスカッションでも開催したらどうかと日本ペタンク協会の山崎理事長に個人的に提案したことを思い出します。
その時のご返事が私には、奇妙に印象に残っています。「そんなことは、まったく意味がないです」という、きついお答えでした。
私は、日本各地で競技規則の解釈が違っていることや、だいいち、いちばん基本的なことであるテラン(コート)の設営から、ラインの解釈にいたるまで、地方の大会に参加すると、ちがった解釈がされていることに気づいていました。日本選手権大会のような地域から代表で参加する選手諸君が、そのディスカッションから得られたものを地元に持ち帰って伝えていただければ、どんどん日本のペタンクが改善されてゆく良い機会になると考えていました。
日本各地から送られてくる大会案内を見ますと、本大会は『日本ペタンク協会競技規則』に準拠する大会ですが一部特別ルールを適用します。となっています。しかし、適用する特別ルールがどんなことかはまったく説明が無いのです。これでは、いくら競技規則の解釈がくいちがっていても「これは本大会の特別ルールです」と答えればすむことになってしまうのです。
たいへんなことです。競技規則をこのようにして行うスポーツは他に無いでしょう。
私が、岐阜や愛知県協会のお世話をしていましたころは、こんなことにこだわって、
世界共通の『日本ペタンク協会競技規則』に完全準拠する大会です。
という断り書きをしていました。『日本ペタンク協会競技規則』を世界共通のものとして、それに従って行う大会という考えでした。
しかし、世界共通の競技規則というものは実際には一つしかなく、『国際ペタンクプロヴァンサル連盟のペタンク競技規則』です。このプロヴァンサルという言葉が入るのは、ご存じの方も多いことでしょうが、ペタンクはプロヴァンサルというブール競技から発生した競技ですので、競技規則もプロヴァンサルとは一部分しか違っていなくて、同じ組織、同じ競技規則書で行われているからです。日本ではプロヴァンサルが行われていませんし組織もありませんので、その部分を省略して言うことが多いのです。
このように書くと異議がでるかもしれません。
フランスにペタンク旅行をすると、大会会場に、ブール販売の車が来ており、ブールを売っていますが、そこで『フランスペタンクプロヴァンサル連盟の競技規則』を15フランで売っています。これは、フランスだけで通用する競技規則と考えられそうですが、中身は『国際ペタンクプロヴァンサル連盟競技規則』とまったく同じものです。インターネット版は目次リンクのために内容が分かりやすいようについていますが、冊子の方には目次はありません。『日本ペタンク協会競技規則』には、目次がついていますが、これは適当に日本で付けたもので、インターネットの『国際ペタンクプロヴァンサル連盟』のリンク目次とは全く異なるものです。
『日本ペタンク協会競技規則』の翻訳の草分けは、日仏文化協会、日本スポールブール連盟理事長、元日本ペタンク協会の理事長の村瀬良臣氏で、日本初の翻訳の功績は大きいのです。
お分かりかと思いますが、日本語訳のペタンク競技規則は、すべて、村瀬良臣氏の翻訳を下敷きにしていることになります。村瀬氏の訳業以後に、フランス語の現代表記への変更ともいえる大規模な競技規則の改定が1995年にあって、それに、私と日本ペタンク協会の北林氏が対応した改訂版が現在の『日本ペタンク協会競技規則』です。
2000年度版、2001年度版といわれているようですが、中身は全く同じです。実はこれもおかしな話しです。
1995年改訂で、国際連盟版とフランス連盟版が異なっているのは、第1条の末尾に、その他の競技方式を禁止する。の1行がフランス連盟版には太文字で入っていることと、目次の有り無しだけが異なっているだけです。
この1行が入るまで、フランスの国内では、4球を使用する、テータテット大会(1対1大会)が、かなり行われていたため、それを禁止した理由があるのです。
世界でそれが認められているわけではありません。書かれていないのは、4球使う対戦方式は無いという考え方をすべきです。その他はまったく同じです。
インターネットサイトで『国際ペタンクプロヴァンサル連盟競技規則』に準拠として、こだわって表記する意味は、『日本ペタンク協会競技規則』と日本語訳の上で違っているからです。その違いについては問題になる条項がそんなに多いわけではありません。現在『日本ペタンク協会競技規則』として発売されているものは、私と、日本ペタンク協会専従の常任理事北林氏との共訳といってよいものです。日本語での表現について、最終的に全体を通して、できるだけ読みやすく工夫したのは私ですから、日本語での表現上の責任は私にあることになります。だが、不満が残るのは、今までの日本ペタンク協会の指導員講習会などで、誤った判断で講習されてきた部分を誤っていたこととして、きっぱりと正さないで、うやむやで変えてゆくようなことで、仕上げてある点です。
誤りは、普及の過程にはよくあることですので、誤りに気づいたたびごとに、ニュースなどで、訂正して周知徹底するのがベターだと私は思ったのですが、山崎理事長の判断には、そのような考えは浮かばぬようで、競技規則の解釈をめぐってのやりとりでは、驚いたことが数回ありました。
このサイトで公開している、ハイパーリンク版の『国際ペタンクプロヴァンサル連盟ペタンク競技規則』は、『日本ペタンク協会競技規則』の翻訳に際して、私が不満とした部分も、できるかぎりわかりやすく、全面的に訳し直したものです。
リンクされたり、ダウンロードされたりは、自由にやっていただいて、活用していただければ幸いです。
そのうちに、PDFファイルにしてダウンロードしやすくするつもりです。
二つの競技規則の相違点は、詳しく比較解説するつもりでいます。
『日本ペタンク協会競技規則』の巻末に、付録として図解部分がありますが、これは『フランスペタンク連盟』が出している『審判員規範』という小冊子の抜粋です。
この部分には、私は手を入れていません。原本には明確に記入されていることも省略された部分があったりして、少し理解しにくく、誤った解釈がされやすい部分があります。いずれ、明確に解説したいと思っています。
もう一つ『日本ペタンク連盟競技規則』があるだろう、という疑問です。
現在発行されているかどうかもよく知りませんが、10年ほど前に岐阜県の老人クラブ連合会(日本ペタンク連盟系)でいただいたものが手元にあって、それを見るかぎりでは、当時の日本ペタンク協会版をそのままに、適当に書き換えてある部分が多すぎるというものでした。
日本ペタンク協会の側から、お聞きしたことでは、村瀬良臣氏が翻訳されて原稿状態のときに現連盟の理事長由井氏は、協会を離れて連盟を設立された。そのとき、原稿状態の競技規則のコピーを持ち出されて、適当に、語句を変えて『日本ペタンク連盟競技規則』とした。ということでした。真偽のほどはわかりません。私が持っているものの訳文は、それが頷けるものです。
以上
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