ペタンクは、日本でも、しきたりを知らなければトラブルが生じる時代になった。
最近、西日本方面で、マナーを守らないトラブルを見聞する。
私のところにも、しばしば、お問い合せをいただく。
日本では、審判員が機能していない。あまりにもおざなりな判定で、審判員に頼らず、選手同士で決めてしまおうという雰囲気すらある。
日本ペタンクリーグでは、その辺りを考慮して、競技委員会の合議制をうたっている。
測定については、メジャー、折り尺、パスなどの測定器具を、場面に応じて使いこなせればよい。初級審判員、という制度があっても、測定技術などの講習も何もない。2時間程度の話しを聞いて、ペーパーテストで合否を決める程度だから、資格だけが一人歩きをしている。しかも、ペーパーテストの問題にまで、誤りがあったりする。
利益追求だけで普及活動をしてきた日本の団体の弊害が生じている。
考えるに、ペタンカーなら当然知っていなければならないようなことまで、資格の対象にして、お金に結びつけてゆくから、ペタンクの正しい姿がなかなか伝わらない。
お金を取るような資格は無しにして、レベル1講習、レベル2講習、といったように、せいぜい会場費にお茶代程度の会費で、ペタンカーが誰でも受講できて、知識が得られる講習を頻繁に開催するべきである。日本ペタンクリーグではぜひそうして欲しい。
フランスのように子どもの頃から、エコールデブール(ペタンク塾)に通って、マナーや技術の講習を受ければ、10歳にもなれば、立派なペタンカーに育っている。

写真はエコルデブールポワンテの練習。
日本では、成人してから、あるいは、退職してからペタンクに取り組んでいるのが現状なので、ペタンクについて、いままで体験していたスポーツの既成概念からなかなか抜けきれない方が多い。まったく、スポーツをしたことも無い方さえあって、スポーツというものの原点さえ考えようとされない方も存在する。
本題を逸れたが、ペタンクは個人競技に等しい、トリプレットで3人とはいえ、役割を分担した対戦は、ポワントゥールのパーソナリティー、ミリューのパーソナリティーなど選手個人の特徴がきわやかに印象に残る結果を残す。
ということは、どのエキップの誰々というように個人が直接礼賛の対象ともなれば、非難の対象ともなる。しかし、『ペタンク競技規則』では、1個人というより、エキップがペナルティーの対象となる。さらには、応援するおなじ仲間まで処罰の対象になる。
このことは非常に重要な意味を秘めている。
対戦をして、勝っても、負けても、非常に爽やかな印象を残すエキップがあり、なにか不愉快な印象を与えたエキップもある。たった一人の選手のマナーが悪いために、全体の印象が悪くなってしまう。
このような問題こそ、ペタンク普及の重要課題にしないと、ペタンクはすばらしい生涯スポーツとはいえなくなってしまう。
最近の話題であるが、関西で、フランス人ペタンカーとして知る人が多いP選手が、京都のF選手のエキップと岡山で対戦した。F選手は、過去にも5、6度P選手と対戦し、負けたことが無いという。あちらこちらの大会でしばしば、優勝をするP選手にしてみたら、もっとも苦手な相手ということになろうか。ところが、P選手にしてみると、負けに繋がったと思える原因が明白にあった。
ティールをするときF選手が、P選手の視界の中で動くというのだ。注意をすると、詫びられるが、岡山でも、また同じ行為があった。その結果負けた。そこへF選手が勝った喜びを顔に出して握手を求めて来た。P選手は、F選手が差し出した手につばを掛けた。
その話を聞いたとき即座に、脳裏に浮かんだことは、「Fさん、分かってないな」ということと「Pさんも大人げないな。フランスだったら殴りかかられるかも知れないぞって教えてやればよいのに」ということだった。
この投球の瞬間については私自身にも苦い思い出がある。初めてのマルセイエーズ参加のとき、77歳の有名選手が参加していた。斜め横から投球の瞬間を捉えようと1眼レフのシャッターを切った。ティールは失敗した。その瞬間「誰だー!カメラは・・」と怒鳴りつけられた。前の人垣の肩越しに望遠でねらっっていた私は、周りの人の視線を感じながら逃げ出した。
視界の中で動く行為とは異なるが、シャッター音すらこの状態である。
現在のフランスでの対戦ではまず見られない。競技規則第17条は厳正に守られている。
日本のペタンカーではティールができる選手の割合はごく少ない。したがって、この動くという行為がいかにマナーが悪いことかを理解できない選手が多い。Fさんはティールもする。京都では名の通った選手だ。また、このことを逆手に取って、仲間が競技しているとき観客を装ってテランの外から、投球する選手の視界の中で、体をぶらぶら揺すっている選手がいたりする状況さえ目撃したことがある。審判も気がついていないためか、注意もしない。選手もアピールすることさえ知らない。日本のペタンクはまだその程度なのだ。
この事件には、もう一つ、しきたりが守られていない。それは、勝ったチームから負けたチームに握手を求めるな。ということである。
本当のしきたりは、自分たちが負けを認めた瞬間(瞬間ですよ)勝ったティームに「おめでとう!(フェリシタッション!)」といって手を差し伸べてゆくのが正しい。まだ負けていないのに勘違いして、握手を求めてゆく選手すら見たことがある。これができれば、トラブルは起こりようがなく。ペタンクはすばらしい生涯スポーツであり続けられる。
もう一つ、付け加えると、フランスでは、勝ったチームがビュベット(サービステント)に誘うしきたりがある。飲み物類はすべて15フランであって、賞金は消えるが、このしきたりで、相手チームとの和やかな歓談ができ、各地の様子やペタンクのことなども聞き出せる。
わたしは、ミヨーへ最初に行ったとき、ホテルのオーナーからこのしきたりを聞いた。そして、オーナーは、駐車場でペタンクをやろうといいだした。2回やって1回目は勝った。私は喜んでカフェで奢った。カフェでは、1時間ほど、ペタンクについていろいろ聞くことができた。
このしきたりについては、マルセイエーズで1回戦で負けて、日本からのわずかなお土産を進呈したお返しとしての飲み物の奢りだと思っていた。しかし、それが本当のペタンクのしきたりだということをミヨー大会で知った。
しきたりについてはまだあるが、最近、日本生じたことに関連してまずお伝えしておく。